「自分らしさ」ってなんだろう?
最近よく、「自分らしさを大切に」とか「自分らしく生きよう」といった言葉を見かけます。
これらの言葉の使われ方をみていると、「自分らしい」というのはとても素晴らしいことで、「自分らしく生きること=幸せ」という図式が無意識に浮かび上がってくるような気がします。
そして幸せを感じるために、様々な体験を求めては「これは自分らしい」とか、「これは自分らしくない」といった判断をしてみたりするのですが、
結局のところ「私は私でありたいが どんな私か分からない」というのが本音かもしれません。
上記のような「自分らしさへの憧れ」と「どんな私か分からない不安」は、すべて私自身が過去に感じていたことです。
「自分らしさ」を発見するため、私はこれまで実に様々なことに取り組んできました。
例えば、
- 自分探しの旅に出てみる
- 本をたくさん読んでみる
- 創作活動に打ちこんでみる
- 信頼できる心理カウンセラーさんの元で、心理テストを受けてみたり、自分の内面をみつめてみたりする
- 心理学系のセミナーや講座を受講してみる
- ヨガを通して自分のからだをみつめてみる
などなど、本当にいろいろです(今思うととても一生懸命でした)。
しかしどんなに真剣に自分を理解しようとしても、「これが自分だ」と断言できるものは全く見つかりませんでした。
それどころか「確かな『自分』なんてどこにもない」という確信のほうが段々と強くなっていったのです。
とても逆説的なのですが、「確かな『自分』なんてどこにもない」と考えるようになって以来、心はとても自由になった気がします。
「これをする自分は自分らしい」とか、「こういう考え方をする自分は自分らしくない」という、自分のありかたを限定してしまうような思考を全くしなくなったからです。
無様だったり、卑怯だったり、優しかったり、悲しかったり、幸せを感じていたり、格好つけていたり、誰かの顔色をうかがっていたり
自分の中には驚くほどたくさんの自分がいますが、その全てが自分自身なのだと、今では確信をもって言えるようになったのです。
そういう心持ちになれたという意味で、これまで試してきた自分探しの旅もあながち無駄ではなく、むしろ必要なことだったのだと、しみじみ思うのでした。
※ 今振り返ると、自分を見つけるために選択した上記のような手段がそもそも自分らしいという気もします(笑)