生き方に影響を与えてくれた本たち

人生に影響をあたえてくれた本

季節柄なのか何なのか、最近は自分の過去を振り返って物思いにふけることが多くなった気がします。

今回はそんな人生の振り返りを踏まえ、自分のこれまでの生き方にかなり影響してるよな〜と思える本をいくつかピックアップしてみたいと思います。

 

 

シンプルに生きる

ドミニック・ローホー 著

既にテレビや炊飯器を手放していた私が、さらに持ち物を減らしてみようと決意するきっかけとなった本です。

文章からにじみ出てくる著者自身の価値観や考え方に触発され、「自分だったらまず何を手放すだろうか?」「そのためには何が必要だろうか?」「自分にとって本当に必要なものは何だろうか?」と具体的に考えるようになったのが、今の持たない暮らしの出発点になっている気がします。

 

ドミニック・ローホーさんのさらにディープな世界観を垣間みたい場合は「シンプルを極める」のほうもおすすめです。

ミニマリストが陥るとされている「虚無感」についてもしっかりと書かれています。

 

 

カウンセリングの理論

國分 康孝 著

心理カウンセリングを勉強していた頃に出会った本です。

著者独特の語り口が痛快で、読み物としても楽しめる内容となっています(多少専門用語は出てきます)。

 

カウンセリングの理論というのは、以下の7つの質問

  • 人間とは何か。人間をどうみるか。
  • 性格とは何か。それはどのように形成されるか。
  • 問題行動はどうして起こるのか。
  • 治るとは何か。健常とは何か。
  • 目標達成のためにカウンセラー何をなすべきか。
  • 目標達成のためにクライアント(クライエント)は何をなすべきか。
  • その理論が適用できない問題や対象は何か。

に答えることによって個人の現象や事実を予測し、整理し、説明・解釈し、仮説を生み出すものと定義できるのですが、
著者がこの本の中で述べているのは、「カウンセラー(臨床家)は自分のパーソナリティーにあったカウンセリング理論を構成しなければならない。」ということです。

つまり既存の理論を参考にしたとしても、「既製服を買わないで、自分でデザインし、自分で作った服を着なければならない。」というわけです。

 

私がこれを読んだときに思ったのは、カウンセリングの理論だけでなく、この世に出回っているすべての理論(価値観、考え方、方法論)についても同じことが云えるんじゃないか?ということでした。

 

  • 自分にとって使いやすく客観的にみて効果のある理論なら、実はどの理論(価値観、考え方、方法論)を採用するかは大した問題ではない
  • むしろその時々で一番有効な理論(価値観、考え方、方法論)を採用する「折衷主義」のほうが、問題が複雑にならなくていい

こんなふうにフレキシブルに考えることができるようになったのは(結果としてずいぶん生きやすくなったのは)、この本に出会ったおかげだと思っています。

 

 

The Choice(ザ・チョイス)

エリヤフ・ゴールドラット 著

The Goal(ザ・ゴール)」で有名なエリヤフ・ゴールドラットさんの本。

組織心理学に詳しい娘と科学者でありコンサルティング会社も率いる才能豊かな父が、「本来、ものごとはとてもシンプルである」「人はもともと善良である」という信念の根本的なあり方について議論を重ねていく・・・という、ストーリー仕立ての内容となっています。

 

この本の中で登場する「科学者のような論理的で明晰な思考をするための障害」とは以下の5つ。

  • ものごとを複雑に考えすぎる
  • 対立は避けようがなく、対立の解消は困難であると考える(妥協点を探すくらいしかできないと考える)
  • 問題を相手のせいにしたがる
  • わかったつもりになってしまう
  • 議論を堂々巡りさせてしまう(ロジックが循環してしまう)

 

そしてこれらの障害を克服する鍵は、以下のような信念をもつことだとこの本では言っています。

  • 人はもともと善良である
  • すべての対立は解消できる
  • ものごとは、そもそもシンプルである
  • どんな状況でも飛躍的に改善できる
  • すべての人は充実した人生を過ごすことができる

 

人生をままならないものと感じることが多かった自分にとって、このような楽観的な信念をもつことには正直かなりの抵抗がありました。
しかしだからこそ、楽観的な信念を持つことは自分の人生をシンプルにしていくうえで「とても有効」で「とても強力な武器になる」のだとも痛感しました。

 

ものごとを複雑に考えて思考が堂々巡りしてしまったときはいつも、この本に書かれている内容を思い出し、問題解決の糸口にするようにしています。

 

 

死ぬ瞬間

エリザベス・キューブラー・ロス 著

死にゆく末期患者との対話の中で死の受容のプロセスがあることを発見したキューブラー・ロスさんの本です。

これから死を迎えようとしている人の口から語られる「死のイメージ」がリアルに記されており、その内容は私自身の死生観に大きな影響を与えてくれました。

 

とても言葉では言い表せませんが、私がこの本から感じ取ったのは

「死」というのは決して日常から乖離した存在ではなく、「生きること」の延長上にある最後のチェックポイントにすぎないのだということ。

そして人間は、死のその瞬間まで成長し続けることができるのだということ。

 

今まで恐怖の対象でしかなかった「死」ですが、この本を読んでからはより身近に、より希望を持って考えることができるようになった気がします。

 

そしてこの本から学んだ「よく死ぬために、今をよく生きる」という姿勢は、持たない暮らしにおいて何を最優先させるか?の判断基準にもなっている気がします。

 

 

以上、私の価値観に影響を与えてくれた本をいくつか紹介してみました。

ちなみにどれも真面目に読もうとすると重い本ですので、気軽に読める本を求めている人にはあまりオススメできません・・・・(^ ^;