ミニマリストという言葉

霧

私は自分のことを「ミニマリスト」とは自称していないのですが、この言葉自体はとても好きだったりします。

 

どういう点が好きなのかいうと、まず第一にその言葉のシンプルさ。

ミニマリストという言葉ひとつで「ミニマム(最小限)を至上とする人」という単純で力強いイメージが伝わってきて、何となく背筋が伸びるような思いがします。

 

そしてふたつ目は、この言葉自体がその適用範囲や目指すゴールを示しているわけではないという点。

つまり、「最小限を至上とする人」という明確なコンセプトを打ち出しつつも、

  • このコンセプトをどこに適用するのか?
  • それによって何を目指すのか?
  • またその手段は?

といった部分は全て各個人に委ねられているという点です。

 

このように鮮明で自由度のある言葉というのはとても使い勝手がよく、その言葉に触発された人の創造性を最大限に引き出してくれるような気がします。

 

ある人は政治の分野にこの言葉を適用するかもしれませんし、またある人は芸術や建築の分野に、またある人は自分のライフスタイル全体に適用するかもしれません。

適用範囲が人それぞれで違うなら、当然講じる手段や使うツールも違ってきますし、最終的に得るものも全く違ってくるはずです。

 

その多様性を許容しているという点で、「ミニマリスト」というのはとても懐が深い言葉だなぁと思うのです。

 

 

ただ一つ、「ミニマリスト」という言葉について言えるのは、

もしこの言葉に出会ったことで自分の人生が豊かになったと感じられたとしたら、それは「ミニマリスト」という言葉をキーに、自分で自分の価値観を変化させ、自分で自分の行動様式を変えていったおかげに他ならないということです。

 

私にとって「ミニマリスト」というのは強力なコンセプトになり得る言葉ですが、
一方でミニマリストにまつわる成功体験は誰とも共有できないとても個人的な体験であり、これを「ミニマリスト」という言葉の中に丸ごと詰め込んだうえで一般化して語るのはかなり難しい(というか無謀)なのではないかと思うのです。

 

そういうわけですので「ミニマリスト」という言葉に出会って人生が好転したと感じる方がおられましたら是非、

「ミニマリストという生き方は素晴らしい」と手放しで絶賛する前に、

「自分で自分を豊かにできた自分は素晴らしい」と、まずはご自分を十分に褒めてあげて欲しいなと思う今日この頃なのです。